目次
「両親が白髪だと自分も白髪になってしまうのか」「白髪はどうしても遺伝してしまうのか」そんな風に悩んでいる方、多いのではないでしょうか。
確かに、若白髪(おおむね10~20代の白髪)の原因として、遺伝の要素は大きいといわれています。
しかし、30代以降の白髪はそれ以外の要因が大きく関係してきます。
さらに、ストレスや食事、紫外線などのダメージが白髪を増やしてしまうきっかけになることも。
この記事では、白髪の原因についてと、白髪を増やさないための予防法についても、あわせて解説していきます。
年齢によって白髪の主な原因は異なる
白髪になる原因はひとつではなく、さまざまな要因が重なることで白髪が生えてしまうものです。
さらに、年代によっても白髪の主な原因は異なります。
10~20代などの若白髪は、遺伝の影響が大きい
10代~20代など若白髪の原因には、遺伝が関係している場合が多いといわれています。
2016年にはイギリスの研究チームが、白髪のきっかけになる「IRF4」という遺伝子を特定しました。
研究によると「IRF4」遺伝子には2種類の変異体があり、特定の変異体を持つ場合は白髪になる確率が、なんと2倍になることが明らかになっています。
また、生活習慣やストレスも大きな影響を与えると言われています。
その早期発症には色素を受容して毛包や毛髪を形成するケラチノサイトのさまざまな遺
伝学的変異や生理学的異常,慢性胃腸疾患や甲状腺疾患,生活習慣やストレスなどの関与も示されている。
ただ、実際に白髪になるかどうかは、環境や年齢など他の原因によって左右されます。
今後はこの遺伝子にアプローチすることにより、白髪を防ぐ新しい方法が開発されるかもしれません。
30代以降の白髪は、加齢が主な原因
一方、30代以降の白髪は、加齢による頭皮や髪の老化が主な原因です。
一般的には、30代半ば頃から白髪が気になり始める人が多いのではないでしょうか。
年を重ねると、髪を黒くする「メラノサイト」という色素細胞の働きが低下します。
メラニン色素(黒い色素)が作られなくなり、髪の毛が白くなってしまうのです。
また、このメラニン色素を作る際に欠かせない「酵素チロシナーゼ」や、メラニン色素を作るように指令を出す「MITF遺伝子」も、年齢とともに減少します。
そのため、年齢を重ねると白髪ができやすくなるのです。
遺伝・加齢以外にも、白髪を加速させてしまう原因がある
遺伝や加齢が原因で白髪ができやすくなることは分かったものの、同じ年齢でも「白髪が多い人」「少ない人」がいるのはなぜでしょうか。
それは、遺伝・加齢以外にも白髪を加速する原因があるからです。
その他の原因1. 病気や精神的ストレスなど
大きな病気や大きなストレスが原因で、白髪が一気に進行してしまうことがあります。
大病をして入院生活が長くなったり、仕事や家庭に重大なトラブルを抱えたりして、一気に老け込んでしまった人を見たことはありませんか?
そこまでの大きな出来事がなかったとしても、長い期間慢性的にストレスを抱えていると、白髪に悪影響を与えてしまいます。
病気や精神的ショックなどが原因で免疫システムが影響を受け、白髪を増加させてしまうことが、アメリカの研究者によって明らかになっています。
また、薬や治療の副作用によって白髪が進行することもあります。
その他の原因2. 紫外線やカラーリングなど
紫外線や髪の毛のカラーリングなど、頭皮の細胞に大きなダメージを与えることは、老化を加速させ、結果的に白髪が増える原因となります。
その他にも、シャンプーの洗い残しや乾燥なども頭皮ダメージにつながります。
白髪を抜くのは白髪が増える直接の原因とはなりませんが、毛根や頭皮に大きなダメージを与える原因となるため、おすすめできません。
その他の原因3. 偏った食事による栄養不足
私たち人間は、口から摂る食事から栄養を補給し、健康を保っていますよね。
髪の毛や頭皮ももちろん同じで、普段口にしている食事が、血液となり髪の栄養源になります。
ダイエットなどで偏った食材ばかりを摂っていると、必要な栄養が足りなくなる「栄養不足」の状態になることがあります。
髪に必要な栄養素を補給できなければ、白髪が増えたり髪の水分が不足してパサパサになったりと、髪のトラブルにつながってしまいます。
白髪を増やさないための予防法
白髪の原因には、遺伝や加齢の他、病気やストレス、生活習慣、栄養不足などがあることが分かりました。
ここからは、その原因となる生活を改善し、白髪を増やさないための予防法を解説します。
ストレスを溜めないよう、リフレッシュ方法を見つける
慢性的に心理ストレスを抱えている状態は、白髪にとって大敵です。
できるだけストレスを溜め込まずに発散するような、リフレッシュ方法を見つけましょう。
嫌なことを忘れて開放的になれる趣味がある方は、趣味に打ち込める時間を作るようにすると良いでしょう。
特におすすめのリフレッシュ方法は、ヨガやウォーキング、水泳などの有酸素運動です。
無理をせずゆっくりとした動きで、長時間続けることが大切です。
集中することでストレスを忘れることができ、汗をかくことで体がスッキリと軽くなります。
髪に栄養を送るため、頭皮ケアを行う
頭皮の血行が滞っていると、メラノサイト(色素細胞)にしっかり栄養が行きわたらず、白髪を増やしてしまう原因となります。
これを避けるために行いたいのが、頭皮のマッサージです。
髪や頭皮の汚れを取り除いた上で、頭皮マッサージを行う習慣を作りましょう。
朝はヘアセットのついでに、お風呂でシャンプーのついでに、自宅でもカンタンに行えます。
<朝のケア>
1. ブラシやコームで、髪や頭皮の汚れを取り除く
2. 両手の10本の指を使って、頭全体を優しく揉みほぐす
<夜のケア>
1. シャンプーで優しく髪や頭皮の汚れを洗い流す
2. 頭頂部や側頭部を、両手の指の腹を使って揉みほぐす(朝よりもしっかりと)
夜のケアでは、毛穴の皮脂づまりなどの汚れをしっかりと取り除くことも大切です。
頭皮ケアを習慣にして、髪の毛に必要な栄養が行きわたるように心がけましょう。
頭皮マッサージの詳しいやり方はこちらの記事でも紹介しています。
➡ 頭皮の血行促進が白髪予防に効く!効果的な頭皮マッサージ 6選
髪に良い栄養をしっかり摂取する
これまで説明したとおり、髪に必要な栄養が足りていないと白髪を悪化させてしまう原因となります。
ダイエットのために炭水化物を抜いたり、好きな食材ばかり偏って摂取したりすると、白髪だけでなく、髪の毛のツヤやコシがなくなり、老けて見られてしまうことも。
白髪に予防良い食材には、例えば以下のようなものがあります。
・牡蠣
ビタミンB12や鉄、亜鉛、グリコーゲンなどが豊富に含まれ、髪はもちろん体の健康に必要な栄養素がギュッと詰まっています。
・しじみ
タンパク質(アミノ酸)、ビタミンB12、オルニチンなどが多く含まれています。
ビタミンB12は、髪の毛を黒くするメラニン色素を増やす働きもあります。
・鶏レバー
葉酸、ビタミンB1、ビオチン、パントテン酸などの栄養素を多く含んでいます。
パントテン酸は、髪の毛にとって重要な栄養素です。
その他、昆布、きのこ類、黒ごま、チーズ、かつお節なども、白髪予防に効果的な栄養素を多く含んだ食材です。
白髪を予防してイキイキとした健康的な髪の毛を手に入れるためには、これらの食材をバランスよく摂り続けることが大切です。
まとめ
遺伝は白髪の原因のひとつではあるものの、それ以外にも加齢、病気やストレス、紫外線やカラーリングによるダメージ、偏った食事による栄養不足など、さまざまな原因があることがお分かりいただけたでしょうか。
「両親が白髪だから私もなりそうだけど、白髪になりたくない」「白髪をこれ以上増やしたくない」という方は、ストレスを溜めないこと、血流を良くして髪に栄養を行きわたらせること、そして髪に必要な栄養素を摂ることを意識して、生活を改善してみてはいかがでしょうか。
そうした日々の積み重ねが、健康な髪づくりへの第一歩となります。