「白髪染めは明るい色にすることが難しい」と聞いたことがある方はいませんか?
これは本当のことで、白髪染めはブリーチ剤のような色素を抜く力は無く、色素量が多くて濃いため、暗く染めることはできても明るく染めることは難しいのです。
「それでも白髪染めで明るい色に染めたい!」という方に向けて、この記事では具体的な6つの方法を解説していきます。
毛髪診断士であり元美容師でもある山田が、プロだからこそできる技をお教えします。
目次
白髪染めでは明るい色に染まりにくい理由
冒頭でも述べた通り、白髪染めを使って明るい色に染めたいと考えても、白髪染め単体ではなかなか難しいのが現状です。
その理由としては以下の3つがあります。
1.白髪染めは色素量が多くて濃いためしっかり染まる
白髪染めはなぜ明るい色に染まりにくいのかというと、白髪染めが「白い髪を暗い色に染めるために開発された商品だから」という理由に他なりません。
白髪染めは、白髪を周りの髪の毛の色に近づけるようにするため、ブラウン色を中心とした濃い目の色素が配合されています。
そのため、深い色合いにしっかり染まる反面、透明感のある明るい色にはなりにくいのです。
2.暗めの色で染めると暗くなりすぎてしまう
先ほど述べた通り、白髪染めは色素量が多くて濃いためしっかりと染まりますが、毛先の方まで全部を白髪染めで染めると全体の印象が暗くなりすぎてしまいます。
ずっしり重いイメージになりがちです。
通常のファッションカラー(おしゃれ染め)と違い、白髪染めは白髪をしっかり染めなければならないため重めのブラウン色がベースとなっており、そのうえに染めたい色素を足した配合がされています。
例えば、青みがかったアッシュ系に染めたい場合でも、白髪染めではどうしてもベースとしてブラウン系が必要になります。
しっかり白髪染めを染めるためには、明るさレベルを下げた6~8レベルの暗さが必要となり、明るく染めることができないのです。
3.明るめの色で染めると白髪が染まらない
明るさレベルを下げた白髪染めで暗くなりすぎてしまうなら、「明るめの色で染めれば良いのではないか?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、そうはうまくいかないものです。
明るめの色の白髪染めで染めると、今度は白髪が薄くしか染まらないというジレンマに陥ります。
なぜならば、明るい色の白髪染めほど、仕上がりが明るく見えるように色素が薄く入るように作られており、結果的に、明るい白髪染めで染めても白髪も薄くしか染まらないのです。
試しに明るめの白髪染めで白髪を染めてみると分かるのですが、うまく染まらずに白髪がキラキラと浮いてしまう状態になります。
市販の明るい白髪染めを使っても明るく染めるのは難しい
以上3つの理由から、白髪染め単体で明るめの色味の商品を選んでも、明るく染めるのは難しいと言わざるを得ません。
そもそも白髪染めには、ブリーチ剤のように髪の毛を明るくする効果はありません。
白髪以外の暗い髪の部分はそれ以上は明るくならないため、髪色全体を明るくしたいというのは無理のある話なのです。
ただし、プロの美容師の手を借りれば、白髪染めでも明るい色に染める方法があります。
その方法について、次章で詳しく解説していきます。
白髪染めでも明るい色に染める6つの方法
市販の白髪染めで明るい色に染めるのは至難の業ですが、プロの美容師の手にかかれば、白髪染めでも明るい色に染める方法があります。
1.グラデーションにする(毛先は明るいカラー剤で染める)
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しっかり白髪を染める白髪染めと明るく染める力のあるカラー剤を組み合わせてグラデーションにすることで、全体の印象が暗くならず、明るい色に仕上げることができます。
白髪を隠したい根元は白髪染めでしっかりと暗い色を入れて染めます。
一方で、毛先などの明るい部分にはあえて白髪染めを使わず、明るいファッションカラー(おしゃれ染め)で染めます。
根元は暗めでも、毛先に向かうにつれて明るめの色に染まっていれば、全体の雰囲気は明るい印象になります。
2.明るい白髪染めと暗めの白髪染めを混ぜる
白髪染めでも明るい髪色を作る二つ目の方法は、明るいトーンの白髪染めと暗いトーンの白髪染めを混ぜる方法です。
明るい色の白髪染めでは白髪が薄くしか染まらないことを先ほど説明しましたが、ほとんど染まらない明るい10トーンや11トーンの白髪染めが存在します。
これは、暗めの白髪染めと調合することで、明るい色に染まる白髪染めのカラー剤を作るために存在しているのです。
例えば、明るい11トーンの白髪染めと暗い6トーンの白髪染めを混ぜることで、白髪をしっかり染めながら明るい髪色に仕上げることができます。
3.ハイトーンのおしゃれ染めとロートーンの白髪染めを混ぜる
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ハイトーンつまり明るめのヘアカラー(おしゃれ染め)だけでは白髪はうまく染まりにくいのですが、そこにロートーンの暗めな白髪染めを少し混ぜることで、白髪をキレイに染めるという方法があります。
1回で明るい色味にかつ白髪も染めようとすると難しいので、2回染めることで全体をうまく染めていきます。
1回目はハイトーンのヘアカラーとロートーンの白髪染めを混ぜて染めていき、一度シャンプーで流してから、同じように2回目も染めると、ハイトーンでもキレイに染めることができます。
また、根元は暗めに染めながら毛先は明るめに染めるという風に、少しグラデーションを意識して仕上げるとキレイな外国人風カラーにできます。
4.ハイライトを入れて明るく見せる
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ハイライトを入れる方法も、白髪染めを使いながら明るい雰囲気に仕上げるときに良く使われる王道の方法です。
ハイライト(3Dカラー)とは、細かく毛束をすくって取り分けた部分のみをブリーチやカラー剤で明るい色にして、筋状に明るい色を入れる手法のことです。
昔は「メッシュ」とも呼ばれていた方法です。
筋状に明るい色を入れることで、白髪をボカして目立ちにくくする効果があります。
ハイライトを入れた後は、根元は白髪染め(グレーカラー)、それ以外をヘアカラーで塗り分けていくことで、さらに明るい髪色を演出できます。
5.バレイヤージュを使って明るく見せる
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バレイヤージュとは、ハイライトと少し似ていますが、ハイライトよりもランダムにブリーチで明るい部分を作り、立体感や動きを表現する手法です。
「バレイヤージュ」にはフランス語で「ほうきで掃く」という意味があり、ハケで履くようにデザインしていくハイライトという意味なんですね。
ハイライトよりも大胆に大雑把に明るい部分を作っていきます。
その後、根元を白髪染め(グレーカラー)で染め、それ以外の部分はヘアカラーで塗り分けていくと、透明感のある明るい髪色を作ることができます。
6.白髪染めではなくおしゃれ染め(酸化染毛剤)で染める
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最後に紹介するのは、白髪染めではなく「おしゃれ染め」(酸化染毛剤、アルカリカラー)で髪全体を明るくしてしまう方法です。
前述した通り、白髪染めには色を明るくする成分は含まれていませんが、おしゃれ染めは「脱色作用(ブリーチ)」と染毛作用を併せ持っているため、全体の髪色を明るくしたうえで希望の髪色に染めることができます。
「おしゃれ染めでは白髪がしっかり染まらない」と思われがちですが、最近では薬剤の配合を工夫することで、おしゃれ染めだけで白髪を染める美容室も増えてきています。
白髪染めで暗くなりすぎた時の対処方法
最後に補足として、市販の白髪染めを使って髪色が暗くなりすぎた時の対処法について解説します。
市販の白髪染めは、しっかりと白髪を目立たなくさせるために、深い濃い色素が入っている商品がほとんどです。
そのため、全体が暗くなりすぎ、重い印象になってしまうことがあります。
「白髪染めで暗くなってしまった髪色を、明るくしたい!」という場合は、迷わず美容室に行くようにしましょう。
一度入れてしまった白髪染めの染料は、明るい白髪染めで染め直しても明るくはできません。
自力でなんとかするのは困難ですし、美容師ですら白髪染めには経験や実績が必要なとても難しい技術となることを知っておくと良いでしょう。
まとめ
白髪染めだけを使って明るい色に仕上げるのは、とても難しいことです。
しかし、白髪染めとハイトーンのおしゃれ染めを混ぜたり、ハイライトを入れて明るく見せたりと、プロの美容師の工夫によって明るく見せる方法はあります。
白髪染めは意外にも難しくデリケートな施術となるため、暗くなりすぎて失敗したくない方は、信頼の置ける美容師に施術を依頼するのが間違いありません。
ここで知った方法を試してみたい場合は、美容師に希望の方法を伝えてみてはいかがでしょうか。